新疆ウイグル自治区/新疆维吾尔自治区/Xinjiang Uyghur Autonomous Region
ウルムチ/乌鲁木齐/Urumqi
ミドルキングダムの中でも「発展が遅れている」と言われている西部地域の中でも、一番西の果てにあるのが新疆ウイグル自治区。その場所の省都がウルムチだ。ウイグル族を巡る問題の中で2009年には「ウルムチ騒乱」が発生し、民族対立と低開発というイメージを持たれることが多いかもしれない。自分もウルムチに行く前はそのようなイメージが強かった。
しかし、現在のウルムチの姿は驚愕するものだ。町の中心部に近い紅山公園の上からウルムチを眺めると、そこには高層ビルが林立して輝き、道路は多くの車で混雑している。自分が行った時には超近代的なLEDライトでかなり多くの高層ビルが装飾されており、深センで人気のものと瓜二つの超近未来的なライトアップもしていた。その発展ぶりは他の大都市を見ているようで、まるでウルムチとは信じられない。
そんなウルムチには観光名所があまりない。ただ、紅山公園などの市内の観光地を見て回るのは、ウルムチという都市もより理解できて面白い。また、「ミドルキングダムのスイス」とも称される郊外の観光地=世界自然遺産・天山天池などは実際にかなりレベルの高い絶景。ウルムチに行くのであれば、天山天池だけでも行くことをおすすめしたい(あと紅山公園も)。
新疆ウイグル自治区というが、ウルムチにはウイグル感があまりない。ただ、効率的に滞在して、新しい発見と絶景を見るには良い場所だ。
ウルムチの冒険マップ
■どんな場所/感想
新疆の歴史や文化、民俗などについて展示している博物館。複雑な歴史がある新疆の歴史について学ぶには面白い。民族衣装などの展示も多い。また、ミイラの展示がたくさんあり、古いものでは3800年くらいも前のものらしい。どのミイラも、本当にそんなに長く土の下にあったのかと思わされるほど顔や体、毛などがはっきりしているものが多く、興味深かった。どうやら、新疆博物館は世界的にもミイラで有名らしい。
■オープン時間
夏季=10:00-18:00 (16:30最終入場)、冬季=10:30-18:00 (16:30最終入場)
*所要滞在時間の目安=2時間くらい
■料金
無料
■行き方
路線バス:7、51、52、68、303、305、311、532、906、910、928路バスなどで「博物馆」バス停
■どんな場所/感想
ウルムチの中心部に位置する小高い紅山を中心にした公園。公園内には、寺院やモニュメント、池、子供用の遊園地のようなエリアなどがある。多くの市民が集まって憩いの場となっている。公園自体は必ずしも大したことないが、その絶好の位置からは、ウルムチの町を一望することができる。特にウルムチの高層ビル群など発展している部分がよく見え、「開発が遅れている西部地域」に含まれるはずのウルムチの大都市具合に驚かされる。紅山公園は夜まで開いているので、夕焼けや夜景を見るのにもかなりおすすめ。おすすめの展望エリアは、山頂に立つ鎮龍塔か遠眺楼のそば。
■オープン時間
4月1日-4月30日+10月1日-10月30日=8:00-21:30
5月1日-9月30日=7:30-23:30
11月1日-3月31日=8:00-21:00
*所要滞在時間の目安=なし
■料金
無料
*遠眺楼(20元)や大仏寺(5元?)に入る場合は料金あり
■行き方
路線バス:2、3、7、8、13、16、22、28路バスなどかカシュガル遊覧観光バス(喀什游览观光巴士)1号線と2号線で「艾提尕尔」バス停
■その他
■どんな場所/感想
市内中心部に位置する市民の憩いの場となっている公園。公園内には、寺院やモニュメント、池、子供用の遊園地のようなエリアなどがある。観光客が見るようなものは特にないが、公園内の寺院(特に岚园・阅微草堂)は結構雰囲気がよく、座れる場所も多いので、一休みするには最適。また、ウルムチ発の天山天池ツアーや南山牧場ツアー、他の都市へのツアーなどに参加したい場合は、人民公園の南門と北門のそれぞれ出たところにある数軒の旅行会社を利用することができる。自分が実際に聞いた限りでは、南門にある旅行会社の方がツアー料金が安かった。
■オープン時間
8:00-22:00
*所要滞在時間の目安=なし
■料金
無料
■行き方
路線バス:8、44、58、308、903、912路バスなどで「西公园」バス停(南門近く)か路線バス:917路バスなどで「红山游泳馆」バス停(北門近く)
■どんな場所/感想
ウルムチで有名な観光地・国際大バザール。古くからある歴史的なバザールを期待していたが、実際はただの「中東風ショッピングモール」だった。イメージとしては、欧米風に作ってある日本のアウトレットパークを中東風にして作った感じ。バザール内には食品から衣料品、工芸品、装飾品など様々なものが売っている。お土産などを探すには良い場所かもしれない。また、バザール内にある塔の上には展望台があり、お金を払えば登れるらしい。ちなみに、国際大バザール内の中心部に位置する建物の中にある、いかにも高級そうな大きな玉製品のお店はすごかった。素人目で見ても、すごくきれいで精巧に作られた玉のアクセサリーや置物、彫刻などがあった。お店の中心部に飾られていた、めちゃくちゃきれいなエメラルドグリーン色をした巨大な玉の飾りは、約4億円の値札がついていた笑色々な場所で自分が見た中では、一番「すごそう」なお店だったので、興味のある人はここなら良い玉が買えるかもしれない。
■オープン時間
11:00-23:00
*所要滞在時間の目安=なし
■料金
無料
■行き方
地下鉄1号線で「二道桥」駅か路線バス:61、70、308、920路バスなどで「二道桥」バス停
■どんな場所/感想
新疆民街と呼ばれる場所があると聞き「ローカルなエリア」を期待していくと、そこにはいかにも古めの建物?を再現した感じの、かなり残念な仕上がりの場所があった。でかい建物の中には、玉(ぎょく)製品やランプ、カーペット、陶器、隕石などの各種鉱物を売っているお店がまあまあ入っているが、閉まっているお店も多くいかにも廃れた感じ。ただ、そこらへんの観光地でよく見かける大量生産のものというよりは、本物っぽいものも結構ありそうだった。もしかしたら結構いい感じの玉が見つかるかもしれない。
■オープン時間
不明
*所要滞在時間の目安=なし
■料金
無料
■行き方
路線バス:70、602路バスなどで「民街」バス停
■その他
■どんな場所/感想
標高約5500mもあるボゴダ峰の麓にある湖・天池。天池自体も約2000mというすごい高地にある。雪山などの高山を背景に彩やかな青色の水がただよう天池は、「中国のスイス」とも呼ばれるほど美しい。天池の周りには、いい感じの遊歩道などを通って行ける寺院や滝などもある。また、追加料金を払えば遊覧船に乗って天池を水上から観光することもできる(でも料金が高い)。これまた追加料金がかかるが、おすすめは天池の横からマイクロバスとケーブルカーで行ける標高約3000mの馬雅山(马牙山)だ。馬雅山にはいい感じのハイキングコースがあり、そこからは天池も見下ろせるし、ボゴダ峰などの雪山や他の高山などを間近に見ることができる。天池が「中国のスイス」なら、馬雅山は「中国のニュージーランド」といった感じだ。自分は山を登っている時に、その風景がすごくロードオブザリングみたいに感じられてすごく興奮していた。だから写真もいっぱい撮った笑。天池から馬雅山に行くのには追加料金がかかりあまり安くないが、せっかく天池まで行くなら馬雅山にも行くのがすごくおすすめ。天池のベストビューは天池の湖畔からで、山のベストビューは馬雅山からだ。ちなみに、天山天池は世界自然遺産。
■オープン時間
4月1日-10月31日=8:30-20:00、11月1日-3月31日=10:00-18:00
*所要滞在時間の目安=3-6時間(ウルムチからの移動も含めると1日)
■料金
155元(入場料95元+駐車場から天池までのバス60元)
*馬雅山=220元(天池から馬雅山のケーブルカー乗り場までのバス100元+ケーブルカー=120元)(ケーブルカー乗り場までバスで行き、そこからケーブルカーに乗らず自分で登山することも可能。その場合、ケーブルカー乗り場までのバス料金100元のみ払う)
*王母廟=25元
*福寿館=20元
■行き方
1)ツアーに参加するか、2)旅行会社が運行する天池行きのバスを利用するか、3)自らバスとタクシーを乗り継いで行くか、が天池への主な行き方。
1)ウルムチ市内からは、天池への1日観光ツアーが多くある。ツアーの予約は、ホテルのツアーデスクあるいは人民公園の南門と北門近くの旅行会社などで手配できる。ツアーに含まれている内容(食事、入場チケット、天池以外の見どころのチケットなど)がそれぞれ違うので、ツアーを予約する前にしっかりと確認した方がいい。また、お手頃のツアーを扱っている旅行会社は人民公園南門の横らへんにあるものが多い。ツアーは大抵、自分が予約した場所のすぐ近くから出発し、ウルムチ市内のどこかの中心部で降ろされることが多い。ツアー時間は、8:00-30あたりに出発し、20:00-22:00あたりに戻ってくるものが多い。ツアー料金は、180-300元あたりが目安。
2) 人民公園の南門と北門近くの旅行会社では、天池行きのバスを予約することができる。天池行きのバスはどうやら個人旅行者のためだけに手配されるものではなく、天池への1日観光ツアーのバスに一緒に乗った後に、現地で個人行動し、一緒に帰るというパターンが多いみたい。料金は往復で50-100元くらい。
3)ウルムチ北郊バスターミナルから「阜康」へとバスで行き、そこからタクシーや乗合タクシーで天池に行くこともできるらしい。
自分は天池への1日観光ツアーのバスだけを利用し、確かに移動などは楽だったが、かなり広い天池を十分に観光できるほどの時間はなかった(5時間)。天池の湖畔側にある場所だけを見るのであれば時間の問題はなかったかもしれないが、馬雅山にも行くのであれば、時間に制約のあるツアーバスではなく、路線バスとタクシーを乗り継いで行った方が、より柔軟に多くの時間を取れ良いと思う。
■その他
ウルムチには外国人が泊まれるホテルがあるが、安い選択肢はあまりない(中国では法律の規定により、外国人が泊まれるホテルと泊まれないホテルがある=外国人は比較的「良い」ホテルにのみ宿泊を許可されている傾向がある)。その中で、自分が泊まったものと他の良い感じのホテルをリストアップしておきます。
*ウルムチで宿泊にオススメのエリアは、紅山公園や人民公園に近いエリアです。地下鉄1号線の北門駅と南門駅の西側/左側のエリアもウルムチの繁華街です。
*ネットで見つけた外国人OKのホテルの中からおすすめを紹介していますが、実際に行ってみると外国人NGと言われることもあるので要注意(以下の三つはどれも平気なはず)。
自分が泊まったホテル
その他良さそうなホテル
ミドルキングダムの食べログ「大众点评」の、ウルムチのレストラン・トップ5を紹介します!(*名前を中国の地図アプリ-百度地図や高徳地図-などへコピペすると場所や時間などをもっと詳しく調べられます)
大众点评のトップ5
■この町の感想とおすすめ度
おすすめ度: おすすめ
■この町を旅する難易度(個人旅行)
易しい・少し易しい・普通・少し難しい・難しい
■所要日数の目安
市内の主要観光スポットは1日でも周りきれる。それに加え、天山天地など郊外のスポットにも行くのであれば、郊外のスポットはどれも丸1日かかるので、最低でも2日間は必要。
■ その他情報