けじめをつけよう(***1)

2020年4月11日

 

(左@北京) 2019年9月2日早朝の飛行機で北京から内モンゴルに向かうため、北京の空港に前日の夜から行くところ(=ミドルキングダムの冒険旅の出発)。空港で徹夜して朝5時にチェックインして搭乗ゲート前に着いたが、そこで寝落ちしてしまい、目の覚めた時には乗るはずの飛行機がちょうどゲートを離れていってしまった。結局、飛行機はあきらめ、急遽長距離バスで内モンゴルに向かった。/ (右@広州) 広州に到着して以降、新型コロナウイルスの問題が深刻になり身動きがとれなくなった。

———————————————————-

 

「旅とパンデミック***」

こういう題名で僕が新型コロナウイルスについて経験したことを記録しておきたいと思う。

 

今は2020年4月10日夜中の3時。僕は中国の広州にあるホテルの一室・リョウヤオヤオ(611)にいる。

 

なぜこのような記録を残すのかについて説明する前に、少しだけ僕の状況を説明したい。

 

僕は北京の大学院で学ぶ日本人留学生だ。僕が通うプログラムの修士2年目は授業が全くなく、修士論文さえ仕上げれば他になんでもできる”フリーな1年”になる。仕事や研究、語学など、それぞれが好きに有意義な1年を過ごす。

 

「持続可能な平和をアジアに構築したい」という目標を持つ僕は、考えたり学んでばかりいるのではなく実際に何か行動を起こしたいと思っていた。そこで、日中間の民間交流を促進することはより良い日中関係につながるとの思いから、約200日間にわたって中国全ての省と全ての世界遺産を旅しながら中国の魅力を発信する「ミドルキングダムの冒険」というプロジェクトをすることにした。

 

僕は2019年9月2日に北京を出発し、順調に17の省と23の世界遺産を旅した。だが、2020年1月24日に広州に到着してからはもうまともに旅を続けることができなくなった。それ以降、今現在4月までずっと広州にいる。

 

さて、この記録を残す理由だが、それは僕が中国における新型コロナウイルスの問題の発生、深刻化、沈静化、回復という全ての過程を身近に観察・記録し、また直接的に影響されてきたからだ。中国には他にも多くの外国人はいるが、外国へと避難しているあるいは避難していた人も多い。また、中国にずっといる人でも継続的に町を出歩き写真や動画を多く撮影して記録している人はそこまでいない。

 

だからこそ、この歴史的なパンデミックにあたり自分の経験を記録しておいた方がいいのではないかと思った。そもそも、最初からこんなにひどい歴史的なパンデミックになることがわかっていれば、毎日日記を残していただろう。

 

また、僕の中国での時間にはもう終わりが近づいている。大学院の次の予定が決まっているので、5月中には中国を離れなければならない。でも、旅をまともに再開することは不可能で、全ての省と世界遺産を旅することも達成できない。だからこそ、今回の旅と中国にけじめをつけたい。だからこそ、次に進めて、その先につなげたい。

 

内モンゴル自治区・正藍旗上都という場所の夕日。内モンゴルでは空がとにかくきれいだった。この町の郊外には、かつてのモンゴル帝国・元王朝の夏の都=上都があった。今でも大草原の中に土塁や建物跡などの遺跡を見ることができる。

———————————————————-

 

 

 

(旅とパンデミック***1, 4月11日)

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です